お尻はボディメイク(体作り)をする中で重要な位置にあるにもかかわらず、胸や肩のように人の目にぱっと入る部分ではありません。(男性の場合)
そのためなのか、筋トレを始めたばかりの頃はお尻を鍛える必要性を感じない人が多いです。
さらに言うと、初心者だけではなく中級者や上級者でも大臀筋(お尻)を集中的に鍛えている人は意外と少ないです。
しかしお尻の形が良ければ足を長く見せる効果があったり、タイトなズボンを履いた時に体の全体的なラインを格好よく見せてくれるため、格好のいい体作りをするためには特に気にしなければならない部位がお尻なのです。
お尻を鍛えてヒップアップ効果のあるトレーニングの種類
ヒップアップしてお尻を鍛えられるトレーニングはあまり多くはありません。
まずはお尻を多く使う運動です。
1)足を左右に、あるいは前後に広く開いて体を起こす動作
●足を前に出して行うランジ系
●ひざをあまり曲げないで行うデッドリフト系
●フルスクワット
●ワイドスクワット
2)全力疾走、タイヤ引きなど
3)ロッククライミングなど
これらのトレーニングは他の筋肉部位も同時に使いますが、お尻だけをメインに鍛えるトレーニングもあります。
代表的なトレーニングには
●ケトルベルを使ったケトルベルスイング(やり方による)
などがあります。
良いヒップの人が少ないのはお尻をしっかり鍛えていないから
筋トレをある程度やってきた人にとってお尻は、しっかりトレーニングした体かできていない体かを見分けるのに役立つ最も確実な部位です。
ヒップアップというと女性のトレーニングだと思われがちですが、実は女性の問題だけではありません。
文化的な違いもあると思いますが、欧米では女性が選ぶ「男性の最もセクシーな部位」では肩と並んで1位、2位を争うのはお尻なのです。
ところが実際には、魅力のあるお尻と言えるほどよく鍛えている人を見つけることはなかなかできません。
特に世界的に見て筋トレの人気がない日本ではその傾向が強いです。
参考までに…
日本は10万人当たりにジムの数が全国平均2.9ヶ所に比べて、韓国は10万人当たりにジムの数が全国平均14.7ヶ所です。
<2016年基準>
街を歩く人々を見ていると、最近はスリムなボディを強調するためにタイトなズボンを履いているので、男女問わずお尻のラインを出している人が多いです。
本人たちなりにはスリムだと自信をもって履いているのかもしれませんが、9割以上はお尻が垂れている「お尻が行方不明」状態になっています。
それでいいと思うなら仕方ないですが、魅力のあるお尻だとは言えません。
痩せている女性や男性は特にヒップアップはあきらめたような人ばかりです。
女性の方が男性より骨盤も大きくて、お尻に脂肪が多いので男性よりはヒップアップされていますが、多くの女性はハイヒールを履いて腰を反らしてヒップアップしているように見せています。
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お尻の筋肉(大臀筋)の機能
お尻の筋肉(大臀筋)は解剖学的にいうと少し特異な面があります。
もともと四肢動物には大臀筋は走る時に足を後ろに押し出す核心筋肉であり、体で最も大きくて強力な筋肉です。
シマウマにまともにキックバックされたらライオンも一発でサヨナラするぐらいですからね。
ところで、このような大臀筋は人間が二足歩行に進化して骨盤と大腿骨の角度が変わったことにより、使い道も少し変わりました。
特に普段立っている時や歩く時の役割の大半は太もも前面の大腿四頭筋に渡してしまったのです。
もう人間に大臀筋はいくつかの制限された機能しか残っていません。
①完全にしゃがんでから立ち上がること
②全力で走ること
③ロッククライミングのような急な上り坂を上がること
④足のキックバック、あるいはまわし蹴り
この中で現代人が日常的に使う動作はほとんどありません。
ソファや椅子を使わず、畳の上で生活をしているなら①は残りますが、これも座った状態から立ち上がる時に上半身を曲げないで立ち上がるという前提条件が必要です。
しかし、普段の生活で完全にしゃがんでから立つ時はどのような動作で行いますか?
人は無意識に体を楽に動かそうとするので、フルスクワットをするように体を床から垂直に起こしたまま立ち上がる人はいないです。
日常では腕のアシストを使って床に手をつけ押して立ち上がったり、太もものアシストでお尻から上がった後に腰を立てるのが普通です。
さらにそれも大変な人は手でひざをついて立ち上がったりします。ですので歳をとっていくにつれて、どんどんお尻の筋肉の退化が目立ってくるのです。
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歩く時はお尻(大臀筋)を使わないのか?
たくさん歩けばお尻の筋肉を使っていそうですし、鍛えられるのではないかと疑問に思いますね。
正解は、ほとんど使われていません。
信じられないかもしれませんが、人間の歩く際のメカニズムはそう進化しています。
歩くことは大腿四頭筋で足を前に出して、体重を前に傾けて、体を大腿四頭筋の力で耐えながら移動させた後、再び次の足を前に出すことの繰り返しです。
この中で大臀筋を使うことはほとんどありません。
人間の大臀筋は体にある大きな筋肉の中で一番怠け者の筋肉です。
歩く時も、繩跳びする時も、ひざより下までお尻を下ろさないで行うハーフスクワットやクォータースクワットでも大臀筋はほとんど力を出しません。
●フルスクワット
完全にしゃがんだ状態から立ち上がる動作…大臀筋を使います。
●ハーフスクワット(パラレルスクワット)
太ももが床と水平(ひざが90度)まで下げてから立ち上がる動作…大臀筋は使われていません。
●クォーター・スクワット
ひざを90度も曲げないで行う動作…これも大臀筋は使われていません。
筋トレをしないで極端な食事制限によって体重を減らした時はもちろん、ウォーキング、縄跳びなどの有酸素運動ばかりやっていたり、お尻の筋トレをメニューに入れないで他の部位ばかり鍛えていると弾力を失って垂れたり、ペチャンコになったりしていきます。
それでも二足歩行でお尻の筋肉がそんなに大きく残っている理由があるのが不思議ですが、それには当然理由があります。
まずは「床から重いものを持ち上げる時」という究極の仕事があります。
重い物を腰だけ曲げて持ち上げようとするとなかなか力が入らないし、腰も痛めやすいです。
足をやや大きめに開いて上半身を起こした状態で持ち上げると、お尻の筋肉はようやく自分の仕事として力を出してくれます。
その力は自分の体重を超えるくらい強力です。
また、もう1つの大臀筋の仕事は「全力疾走」です。
ただウォーキングをしている時は使われないのですが、全力疾走をすることは足を強く後ろに蹴りだされるので大臀筋が使われるのです。
何か目の前に危険が迫っていたり、命がかかった状況では生きるために全速力で走る必要もあるかもしれません。
ですので要らない筋肉ではなく大臀筋はこの時代でも重要な部位なのです。
まとめ
腹筋や胸の筋肉に比べるとお尻は自分ではなかなか見られないですし、服を着てしまえば見えないと思ってお尻を鍛えることはおろそかにされてしまいがちです。
しかし、しっかり鍛えられてヒップアップしたお尻は男性でもスタイルを良く見せますし、見た目年齢も若くなります!
今まであまりお尻の筋トレをやっていなかったのなら、ぜひ今日からあなたの筋トレメニューに加えていきましょう。
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大腿四頭筋(太もも)を鍛える筋トレ種目一覧
スクワット系
・ バーベルスクワット(Barbell Squat)(基本)
・スミスマシンスクワット(Smith Machine Squat)
大臀筋(お尻)を鍛える筋トレ種目
ランジ系
・ ダンベルランジ(Dumbbell Lunge)(基本)
・ バックワードランジ・バックランジ(Backward Lunge)
・ ステーショナリーランジ(Stationary Lunge)
・ ブルガリアンスクワット(Bulgarian Squat)
ヒップスラスト系
・スミスマシンヒップスラスト(Smith Machine Hip Thrust)
・バーベルヒップスラスト(Barbell Hip Thrust)
・ダンベルヒップスラスト(Dumbbell Hip Thrust)
マシンを使って下半身を鍛える筋トレ種目一覧
・レッグプレス(Leg Press)(基本)
カーフレイズ系
・スタンディングカーフレイズ(Standing Calf Raise)
・シーテッドカーフレイズ(Seated Calf Raise)
・ドンキーカーフレイズ
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