懸垂(プルアップ・チンアップ)の効果の違いや回数を増やすコツとは

懸垂(プルアップ・チンアップ)の効果の違いや回数を増やすコツとは ■背中を鍛える・広背筋
パーソナルジム フォルス

懸垂は上半身を鍛える最高のトレーニングです。

重量も増やす必要がなく簡単な動作ではありますが、難易度が高いことはご存知の通りかと思います。

正しくできれば少し持ち方を変えるだけで背中の色々な部位にピンポイントに刺激を与えることもできる万能トレーニングですので、
懸垂ができない人ももう一度フォームを確認して、少しずつできる回数を増やしていきましょう!

 

ちなみに、懸垂(チンニング)のことをプルアップあるいはチンアップともいいます。

主にオーバーグリップ(手の平が正面の向き)で行う懸垂をプルアップ、リバースグリップ又はアンダーグリップ(手の平が後ろ向き、逆手)で行う懸垂をチンアップと呼び分けていますが、
海外ではどちらもチンアップと呼ぶなど様々あります。

 

まずは基本のやり方をおさらい↓

 







1.懸垂(プルアップ)の特徴や効果

懸垂(プルアップ・チンアップ)の効果の違いや回数を増やすコツとは

①懸垂とデッドリフトの違い

懸垂がデッドリフトと大きく異なるのは、動きに下半身と腰が入っていないことです。
その一方で、腕の筋肉は比較的多く、僧帽筋は少ないながらも関わってきます。
つまり上半身全般になる、逆三角形を作るための上半身に一番重要なトレーニングです。

 

②懸垂(プルアップ)のメリット・デメリット

懸垂のメリットは、全身トレーニングに近いデッドリフトより背中に刺激が集中しやすいという点です。

デッドリフトのように高重量のバーベルを必要とせず、近所にあるような公園の鉄棒でも行うことができます。
もちろん、鉄棒がなくても水平にしっかり固定されたバーさえあればどこでもできます。

そして関節が良くない人やヘルニア持ちの人がデッドリフト、ベントオーバーローイングなどをやるのはかなり厳しいですが、懸垂なら脊柱に大きな負担もなく安全に行うことができる数少ない背中トレーニングです。

しかし懸垂の一番大きなデメリットは、筋力や体重の影響が大きいため反動を使わずに正しいフォームでは1回もできない人が多いです。
肥満の人は体重を減らさない限りとても無理でしょう。

 

③女性と男性の懸垂

女性は体重に関係なく、かなりのトレーニングをやってきた人でなければ、懸垂はほぼ不可能です。
しかし、十分な練習を重ねていけば、女性でもしっかり懸垂ができるようになります。

男性は筋力のせいにするよりは体重か重いか、やり方が違うためにできないと思っていることがあります。
実際に、体重も軽い男性が鉄棒にぶら下がったまま体を持ち上げられない状況であっても、いざやり方を教えてあげたら「え?できるね?」と驚いたりします。
(それでもできない場合もたまにはあります。)

 

 

2.懸垂(プルアップ)のグリップによる違いによる効果

懸垂(プルアップ・チンアップ)の効果の違いや回数を増やすコツとは

①グリップの持ち方でメインターゲット筋肉が変わる

懸垂はグリップ(バーの持ち方)をオーバーグリップにするかリバースグリップにするかによって刺激部位に差が出ます。

オーバーグリップでは、主に広背筋全体、僧帽筋上部に加え背中のサイドにある大円筋や菱形筋に効きます。

リバースグリップ(チンアップ)にすると、広背筋と僧帽筋下部がメインになります。

どちらも上腕二頭筋の力も使いながら行いますが、リバースグリップの方が上腕二頭筋の力を多く使うので比較的やりやすくなります。

 

②グリップの広さ(手の幅)を変えて刺激を与える

筋トレの教科書的な理論でお話すると、
広いグリップは背中を幅を広げるのにいい、狭いグリップは背中を厚くするのにいいと言われます。

しかしこれはどの姿勢でも10回以上できる中級者以上での話です。

なので3、4回やるのも難しいうちは「正しい姿勢で可能な」グリップを中心にします。
普通は広いグリップのほうが難しいため、最初のうちは肩幅程度の狭めのグリップで始めてください。

そのうちに4~6回以上できるようになったら、様々なグリップを試してみると良いです。
グリップをとても狭く、両手がつくようにしてやる方法もありますが、その場合は脇の下に位置する大円筋を集中的に刺激します。

僕の場合は最初にワイドグリップで3セットやって、疲れてきたら狭いグリップで再び3セット、最後にリバースグリップで3セットします。(Ryo)
このぐらいやれば十分な筋肉の張り(パンピング)を感じられます。

 



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3.前にする懸垂、後にする懸垂でも効果が変わる

バーを胸の前にするか首の後ろにするかによっても刺激部位に差が出ます。

一般的なバーが前にくる懸垂は、狭いグリップの懸垂効果と似ています。
背中の上部、内側の筋肉繊維に刺激が集中されます。

一方、首の後ろにする懸垂は、ワイドグリップの効果と似ています。
背中の下部、外部の筋肉繊維に刺激をたくさん与えられます。

首の後ろに懸垂をする場合、バーが頭にあたるくらいだけでも十分な効果があります。
欲を出すのであれば後頭部にバーが届くほどまで上げるのがベストです。
それ以上に上げると肩を痛めます。

 

 

4.懸垂(プルアップ)の基本ポイントを再確認

懸垂(プルアップ・チンアップ)の効果の違いや回数を増やすコツとは

 

懸垂は姿勢とグリップによって刺激部位や難易度に差が出ます。
1回もできない時は、いったんやり方や姿勢を見直してみましょう。

①懸垂は腕のトレーニングではなく背中のトレーニングです。

懸垂は腕の力で行うトレーニングではありません。
上腕二頭筋が介入はしますが、主な力は背中の筋肉を使います。
腕の筋肉は背筋より弱いので腕の力だけでは持ち上げようとしてもできません

 

②スタートさえできれば半分は成功

初心者の場合、
バーを握る幅は肩幅程度にしてリバースグリップ(逆手)で持ちます。このグリップが一番難易度が低いです。

胸を前に張って頭を少し上に向けます
こうすると自然に体が後ろに傾きます。
この姿勢であれば少ない力でも持ち上げることができます。

スタート動作が重要ですが、初心者のうちは毎回腕の力で体を持ち上げようとするために失敗します。

小さい力こぶで、しかも腕が広がっていて最大モーメントがかかった状況では絶対自分の体は持ち上げられません。

目線を上に向けて胸を前に出した同時にひじを脇腹に引っ張ると思いながら体を上げていきます。繰り返しますが腕で引っ張るのではありません!

スタートさえできれば半分は成功です。
力こぶにわざわざ力をいれなくてもひじを脇に引くように行えば腕は自然と曲がっていきます。

胸がバーに付く程度までぐっと引き上げれば、最高の広背筋トレーニングと言われるスターナムチンス(Sternum chins)になります。

 

③速度調節も大切

何をそんなに急ぐのか、追われているかのように全身を激しく反動しながら懸垂をする方がたくさんいます。

しかし、懸垂は体重を利用して広背筋に刺激を最大化させて与えるトレーニングなので、姿勢(フォーム)と速度調節(動作スピード)がとても重要です。

他の筋トレと同様に、懸垂もポジティブ(上げる)動作と、ネガティブ(下げる)動作の時間配分が重要です。

プルアップの基本のやり方

1. 反動を使わないで体を持ち上げる
2. 上がった時よりゆっくりと、刺激を感じながら下ろしていく
3. 完全に下ろしたら一旦止まってから、また体を持ち上げる(体を下ろしてからの反動で跳ね返って上げない)

 

④とりあえず1回でもできたらOK

なんとか1、2回を正しいフォームでできるようになったら、引き続きなんとかすればいいです。(とにかく頑張る)
1回でもできる人は練習さえ重ねていけば回数を簡単に増やせます。

 

 

5.それでも懸垂(プルアップ)ができない場合は?

懸垂(プルアップ・チンアップ)の効果の違いや回数を増やすコツとは

女性の方や、本当に筋力が弱い男性なら、どうしてもできない場合もあります。

このような人はラットプルダウンマシンで筋力をアップさせたり、次の方法を取り入れて、とにかく筋力向上を目指しましょう。

①できなくてもぶら下がる、それからちょっとだけ上げてみる

ぶら下がったまま暇つぶしをしろというわけではありません。
基本姿勢でぶら下がった状態から上で述べたように胸を張って目線を上に向いて上半身をやや後ろに倒す(スタートポジション)動作をとります。

それから自分ができる範囲まで上げる練習だけでも懸垂に役立ちます。

 

②ネガティブ(下げる)動作のトレーニングをやってみる

腕を伸ばせば掴める程度の低い鉄棒を選んで、少し飛び上がってからゆっくり負荷に耐えながら下ろしていくようにして繰り返して練習します。
負荷に耐えながら戻していく動作からでも筋力や筋肉は発達します。懸垂が出来るような筋力をつけるためにとても役に立ちます。

 

③できる範囲まででも頑張る

「懸垂」といっても必ずバーがあごに触れるところまで上がる必要はありません。
むしろフィニッシュ動作にあまりにも上げすぎることは肩の関節に無理がかかります。
さらにその上げきる後半の動作では腕の筋肉の介入も多くなります。

広背筋は動作の前半からに最も多く使われて、上に上がるほど腕と僧帽筋に力が分散されます。
完璧にできなくてもとりあえずできる範囲まですればいいです。

 

④最終手段は禁断の「体の反動」

上でも述べましたが、どうしてもスタート動作もできない場合は体をちょっと揺らした反動をあえて利用してやる方法もあります。
正しいフォームで懸垂ができるようになったら反動はやめて正しいフォームの懸垂に直していきましょう

 

プルアップは筋トレBIG3に並ぶくらい基本で重要なトレーニングです。

基本フォームでマスターできるようになりましょう~!

 

 

 





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