トレーニングは何時間が効果的?長すぎるとダイエットに良くない理由

トレーニングは何時間が効果的?長すぎるとダイエットに良くない理由 【筋トレ知識】
パーソナルジム フォルス

体重を一番気にしてダイエットに励む人の中には、トレーニングをあまりにも長くしている人がいます。

1時間くらいではトレーニングした気がしなくて、2時間も3時間もやっている人もいます。

個人的には一般的に本番のトレーニングを90分以上するのは時間の無駄である、というのが持論ではありますが(Ryo)、実践者が時間の余裕があるから長くやりたいと言うのであれば、それを止めることはなかなかできません。

しかし本当に長時間のトレーニングはダイエットに有効なのでしょうか。

 







ダイエット目的において長時間のトレーニングは効果が比例しない

筋肉発達は別に置いておいて、体重を落とすダイエットだけの観点からみてみましょう。

理論の通りなら1時間トレーニングする人よりは2時間、2時間よりは3時間をトレーニングする人が時間に比例して脂肪も落ちるはずですが、現実はそうではありません。

現実では一定水準(1〜2時間の間)を超えたら、いくら時間を投資しても痩せないプラドー現象(高原現象)というものが現れてきます。
ここからはいくらトレーニングしようが関係が無くなり、結局は食べ物が問題のカギとなります。

この事実はボディメイクにある程度詳しい人なら知っている内容です。
ここではいろんな理由がありますが、代表的な理由は下の2つです。

1.人間が1つの動作や活動に集中できる時間の限界は約1時間くらいです。経歴によって伸びることもありますが、読書、楽器演奏、音楽鑑賞、運動までも、特定の時間が経つと人間は散漫になり始めます。

2.トレーニング時間が長引くほど強度は低くなります。
結局1時間をハードにやろうが、2時間をウロウロやろうがエネルギー消耗量はどちらも同じような数字になります。

と述べると、この2つの理由に関してこう思う人もいるかもしれません。

「それはただトレーニングが下手で、本気でやってないから消耗するエネルギーが少なくなるだけだろう!」

 

それでは1時間のトレーニングのように2時間のトレーニングも同じ集中力と強度でやれば、痩せるのも2倍早くなるのでしょうか?

 

答えは「NO」です。これは多くのトレーニング専門家たちも、私も経験的に知っている内容です。
最初はもう少し痩せますが、近いうちに1時間でも2時間でも、どちらも変わらず停滞してきます。

トレーニング時間を長引かせるほど効率もどんどん落ちていくので、結局は最初に体重が早く減る以外に長時間トレーニングにメリットはありません

 



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長時間トレーニングはエネルギー消耗が減ってしまう

身体の活動量(PA)とエネルギー消耗の関係は簡単なようで複雑です。

 

長時間トレーニングはエネルギー消耗が減ってしまう

この2つの図の左側「Additive」は、身体活動量(PA)が増える時にエネルギー消耗量は初期段階では比例して増えていきます。
運動を全くやっていない肥満の人が1日40分歩きを始めれば痩せていくように、です。

Additive model のようにこのままトレーニング量が増えた分エネルギー消耗も増えるようですが、経験通りならある時点で止まってしまい、右側のConstrained model のようになります。

Total Energy Expenditure…総エネルギー消費量
Physical Activity(PA)…身体活動量
other…その他
Additives…付加的・累積的
Constrained…制約付き

 

なぜこのようになってしまうのでしょうか。

これは北米とアフリカに渡って332名を対象に、活動量と実際エネルギー消耗量を比べた国際的な研究結果です。

参考文献:Constrained Total Energy Expenditure and Metabolic Adaptation to Physical Activity in Adult Humans (2016) 

 

対象者たちの活動量と実際のエネルギー消耗量を分析した結果、やはり予想とおりでした。
意識的な身体活動量(AEE1)が一定レベルを超えて、それを持続すると体はそれに適応して他のところから(AEE2)エネルギー消耗を減らし始めます。ここでは活動量が減少、全般的な身体機能の低下も含みます。
下の表は実際のデータの平均値です。

一番大きな要因は日常生活の活動量減少です。
歩きが遅くなったり、元気がないと周りから言われるようになったり、集中力が落ちたり、すぐに眠くなったり、怠けるようになったり、気が立っていたり、ずっと座りたがっていたり、などの本人の意志だけではコントロールしにくい領域からの活動量減少が起きます。

 

長時間トレーニングで効果が落ちるのは、一日に燃やせるエネルギーには限界があるため

激しい運動や仕事、引っ越しをしてからとても疲れてすごく眠くなるように、昼に過大に消耗したエネルギーを他の時間から出来るだけ動かないようにしてエネルギーを使わないようになります。

結局は1時間のトレーニングを3時間に増やしても1日中に消耗するエネルギーは大きな差はないので、ダイエット、体脂肪減少の面では効率が良くないです。

いくらトレーニングしようが、長期的にみると人間の体は1日平均に燃やせるエネルギーの限界が存在します。

だから過度すぎる(一般的には90分以上の)トレーニングを続けて身体に無理をかけ、トレーニング以外の日常生活に半分死んでいるニワトリのように過ごすか、適切なトレーニングをして日常生活にも活発に過ごすか、答えは明らかです。

トレーニングを生活の中に上手に取り入れて、無理をせず続けていくことが一番です。
一度のトレーニングは60~90分にして、効率よく結果を出していきましょう!

 

 





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