炭水化物抜き(糖質オフ)ダイエットと低脂肪ダイエットはどちらが有効?

炭水化物抜き(糖質オフ)ダイエットと低脂肪ダイエットはどちらが有効? 【筋トレ知識】ダイエット関連
パーソナルジム フォルス

今の時代のダイエットのトレンドは、糖質を抜いた低炭水化物ダイエットです。

ダイエットをしたことがある人は炭水化物の量を制限することで減量に励んだ経験があるでしょう。

 

つい最近まで流行った肉を食べてご飯を食べないという、話題のケトジェニックダイエットを含めて一番敵扱いされるのが炭水化物です。

しかし20世紀末までは低脂肪ダイエットが大流行だったことも含めて考えて、炭水化物抜きダイエットと低脂肪ダイエットのどちらが勝者になるのか見ていきましょう!

 







 

ダイエットの真実!本来太るのは結局「食べ過ぎ」

そもそも常識的に考えて、脂肪が体にたくさんついている原因は食べすぎなんです。

炭水化物が多いとか細胞が多いとか関係なく、運動量や基礎代謝量を含めた一日の消費量を超えた分の食事をすれば、太るのは当たり前ですね。

 

しかし人々はそれを認めようとしません。

 

たくさん食べても太らない夢の方法をどうにかして探そうとしています。

 

そこで世の中では炭水化物か脂肪かどちらかを悪いやつにして、悪くない方ならたくさん食べても大丈夫!という結論に至るのですね。

人がたくさん食べたがるというのは捨てられない欲求なのです。

だから低脂肪と低炭水化物の争いは終わりがありません…。

 

 

低炭水化物ダイエットと低脂肪ダイエットのそれぞれの言い分は?

低脂肪と低炭水化物はダイエット陣営の両大山脈になっていますが、

低炭水化物を主張する陣営からいう一番大きな根拠はインシュリンが肥満に影響するという内容です。

さらに一部ではインシュリンさえ抑えられるなら脂肪はいくら食べても太らないという極端なダイエット法も出回っています。(バカげた話です)

 

一方、低脂肪の陣営では人を太らせるのは結局脂肪だという内容です。
ここでも脂肪さえ食べなければ炭水化物はいくら食べても太らない、という極端論がなぜだか根底にあります。(同じくバカげた話です)

 

 

糖質オフダイエットと低脂肪ダイエットは企業の戦略?

この争いは単純なダイエット論争に見えて、実際はかなり大きな裏の背景があります。

低脂肪か低炭水化物かは、個人のダイエットの問題を超えて全世界的な健康政策が左右する、ものすごい波及力と金銭的な問題がかかったとても大きな論争です。

 

例えば1960年代にアメリカでマクガバンレポートというものが採択されました。

このレポートは「脂肪は悪」ということで、これにより全世界の食品産業の指導は穀物と低脂肪食事が主導する方向に変わりました。

 

しかし約40年経ち21世紀になってくると、低脂肪の食事をする際に炭水化物を多く摂りすぎていることから糖尿病患者が増えてきたことが判ってきました。

マクガバンレポートは間違いだった、その代わりに低炭水化物の食事が良いのだ、と主導権が交代となります。

 

このようにして主導権を握ったケトジェニックダイエット、アトキンスダイエットを含めた低炭水化物陣営の支援軍には、
●肉類
●酪農業界
●一部農産物業界と関連した加工食品、医薬品やサプリメント業界

などがあります。

反対に低脂肪陣営の支援軍は、
●多数の農産物業界
●有機栽培関連業界
●菜食主義団体
●低脂肪に関連する医薬品やサプリメント業界

があります。

 

 

低炭水化物ダイエットも低脂肪ダイエットも背景には儲かる業種が存在する

両方の陣営は、それぞれが巨大なスポンサーとなり、資金を提供することで傭兵のような役割をする学者、トレーナー、ボディビルダー、フィジーカー、ビキニ選手がいます。
お互いに論争になるようにしてそれをもとにお金を稼ぐメディアもあります。

つまり、何かが売れるためにはそれを後押しする企業がいるということです。

 

 

世の中のダイエット方法は楽して痩せたいニーズに応えて生まれる企業戦略

問題はそういう専門家たちが論争をしようが、結局何を食べて痩せるかは本人の選択です。

様々なダイエット法やそれに関連する情報がありふれている状態で、一般人にとっては「どうしろうっていうんだ」と思うかもしれません。

 

しかし残念ながら、少しでも楽に痩せたいと思う人が多いからこんな論争が出てくるわけで、それを望んでいる限り自由にはなれません。

 



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アメリカで低脂肪vs低炭水化物のダイエットの実験が行われた

2013年に低脂肪ダイエットvs低炭水化物ダイエット、どちらがいいのか歴史的に残る大きな実験が始まりました。

スタンフォード大学のクリストファーガードナー博士の指揮下に、609人を対象にした1年間の厳しい低炭水化物ダイエットと低脂肪ダイエットをテストしました。

今回の実験を支援して主導したのは、今までインシュリンが肥満の原因だと主張してきた低炭水化物陣営のキャプテンGary Taubesです。
つまり、実験自体は低炭水化物陣営からの企画です。

 

1.低脂肪vs低炭水化物の実験方法

18〜50歳の成人609人を約半数ずつ、低炭水化物班、低脂肪班に分けました。

2ヶ月間は脂肪20グラム未満・炭水化物20グラム未満にしてスタートしました。

両方ともとてもハードな減量です。低炭水化物陣営は最低2ヶ月のケトジェニックダイエットです。

たんぱく質は総カロリーの23〜25%ぐらいにして両方同一で進行しました。
もちろん総摂取カロリーも同じです。

 

もしこの状態でそのまま1年も進めたとしたら、耐えられる人はほぼいないでしょう。

そのため、2ヶ月後からは本人がどうしても耐えられないと要求した場合には、少しだけ脂肪か炭水化物を増やせるようにしました。

 

この実験の目的はどちらが多く痩せるかを比較することでありましたが、一方では持続可能なダイエット方法を探すことも含まれています。

 

低炭水化物陣営は平均120~130g まで炭水化物を増やして、できるだけ最初の食事制限を維持するようにお願いしていましたが、最後までケトジェニックダイエットレベルの50g未満を維持できた人は極一部でした。
それでも平均的には炭水化物が総摂取カロリーの30%以下という低い水準を維持しました。

 

低脂肪陣営も同じくらいで、最後の段階では脂肪摂取が1日平均50gまでに増えました。もちろんそれでもテスト期間中の平均は30%未満を維持しています。

 

総カロリーは平均1,500kcalから始めて、最後の12ヶ月目には平均1,700kcalを超えました。両方陣営のカロリーは最初から最後までほぼ同じく制限しています。

 

両方の条件を合わせるために参加者たちの食事は全て加工食品は一切無しでいわゆるクリーンフード(Healthy Whole Food)にしました。(相当な資金がかかりましたね、、)

 

一方、低脂肪、低炭水化物どっちかに有利な遺伝的な差があるかまでも確認するために、参加者全員に15種類の遺伝子の分析とさらにインシュリンの分析まで行いました。(ほんとーにお金かかりましたね、、)

その実験の結果を全てまとめた内容が今年発表されました。

Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on Weight Loss in Overweight AdultsThis randomized clinical trial compares the effects of a healthy low-fat vs a healthy low-carbohydrate diet on 12-month weight change among adults aged 18 to 50 years with a body mass index of 28 to 40 without diabetes, and investigates modification of the diet effect by genotype pattern or insulin….jamanetwork.com

 

2.低脂肪vs低炭水化物のダイエットの実験結果は

このように、大きな規模で大きな期待を込められながら行われた実験でしたが、結果は常識的で特に驚きのない結末となりました。

 

体重の減少の変化

●低炭水化物・・・平均-6kg(-27kg〜+10kg)
●低脂肪・・・平均-5.3kg(-32kg〜+11kg)

→低炭水化物が平均700g多く痩せましたが、全体的にみるとそんなに大きく変わりませんでした。

 

血中コレステロールの変化

●低炭水化物・・・LDL 3.6増加/HDL 2.6増加/中性脂肪 28減少
●低脂肪・・・LDL 2.1減少/ HDL 0.4増加/中性脂肪 10減少

→両方とも悪い結果ではありません。
ただ低脂肪は全体的に全ての数値が少し良くなっていることに比べて、低炭水化物はLDLはむしろ悪くなりHDLと中性脂肪は良くなっています。
バラバラで極端的に見えます。

 

安静時代謝量(RMR)

●低炭水化物・・・77kcal減少
●低脂肪・・・66kcal減少

→低炭水化物の方が少し多めにエネルギー量が増えましたが、そんなに言えるほどの差ではありません。

 

3.低脂肪vs低炭水化物の実験からみた結論は

勝利を確信しながらこの実験を主導した低炭水化物陣営では、この結果を認めない雰囲気です。

‘Big Fat Liar’だと批判まで受けてイメージにダメージを受けていたGary Taubesの言い訳としては、結果が自分の主張通りに出なかったのはみんながケトジェニックダイエットをしっかり守ってなかったからだと主張しています。

逆に低脂肪陣営としては21世紀からずっと低炭水化物陣営から押されていた雰囲気だったので嬉しい結果でしょうね。

 

とにかく結論は、どちらもあまり大きな差はなかったということです。

 

実はこの実験でなくても、最近出たその他の研究(カロリーとたんぱく質の摂取量を固定して、炭水化物と脂肪の比重だけ変えた研究)でもほとんど差はなかったので、ある程度予想はつく結果でしょう。

 

 

炭水化物抜き(糖質オフ)ダイエットと低脂肪ダイエットはどちらが有効?のまとめ

何だか長くなってしまいましたが、ダイエットに炭水化物を抜くことと脂肪を抜くこと、どちらが効果的なのか分かりましたか?

 

そうです。

どっちも変わりません。食べる量を減らせば減量はできます。
本人が好きな方法でやればいいですが、人に強要はしないようにしましょう。

 

最初にお伝えしていますが、「食べ過ぎ」が大問題です。

脂肪を抜いて炭水化物を多く食べ過ぎても問題ですし、炭水化物を抜いて脂肪を摂りすぎてもダイエットは成功しません。

 

しかし、炭水化物と脂肪の組み合わせこそが、人々が美味しいと思う食べ物ばかりなので、どちらかを防ぐことである程度の食べ過ぎは減らすことができるかもしれませんね!

 

 

食事の内容とトレーニングの組み合わせで体脂肪はすぐに減る!





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